作品貸出のご案内

当館はアフリカンアートを収蔵、展示する国内唯一の美術館として、2010年4月4日に八ヶ岳南麓に開館いたしました。 これまでに朝日新聞、日経新聞、毎日新聞、NHK甲府放送局など多くの媒体22社に採り上げられました。 日本では、アフリカンアートやオセアニックアートなどの先住民の美術を所蔵する施設が少なく、展覧会などを企画されるようなときにはぜひご検討ください。

企画展

魂の造形:アフリカの彫刻展

くわしくはこちら

企画意図

アルジェリアの南にある紀元前4000年のタッシリナジェールの岸壁画には仮面を付けた人物の像が描かれています。それは、現在のコートジボワールのウォベかゲレの人々が用いているのと同じようなマスクです。このマスクにより、壁画の主がウォベかゲレの祖先であるかどうかの確証はありませんが、昔、サハラ砂漠が緑の草原であったころ、すでにこのような仮面が存在していたという証拠であり、それが現代につながっているとも考えられます。
アフリカでは、精神性を重視するせいか、写実的なことやシンメトリックなことが「美」ではなく、大きくデフォルメして精神を表現したものや、歪んだものがリアリスティックであり、美しいと認識されています。
ヨーロッパでは、古代ギリシャ時代以来、実物に近い形を表現することを尊重してきました。しかし、近代になって、当初は民族博物館の収蔵品であった、それまでのヨーロッパ的な表現とは異質な、アフリカのマスク、立像や道具などが、20世紀初頭のパリの若い芸術家たちの心をつかみ、新しい形や色彩の概念が生まれ、「キュビズム」や「フォビズム」として開花しました。
アフリカ美術の影響はピカソやブラックだけではなく、マティスとフォーブの作家たち、モディリアーニ、クレー、レジェ、ブランクーシ、ジャコメッティーやヘンリー・ムーアにも及んでいます。そのせいか、アフリカ美術はヨーロッパやアメリカでは、もはやごく一般的な美術のカテゴリーであり、パリのルーブル美術館やニューヨークのメトロポリタ ン美術館もアフリカ美術の部屋を設けているほどです。また、これら多くの近代美術の作家たちは、日本でも幾度となく紹介されてきましたが、どうしたわけか、その源流であるアフリカ美術は、数えるほどしか紹介されていません。
アフリカの造形、美術は、思いもよらないデフォルメ、フォルム、表現力、質感など、理屈ではなく観る者の心に直接、訴えかけてくる力があり、たちまち虜になってしまう魅力があります。それは、数百年の間に淘汰された、民族の根源的な形、表現であり、何よりも生きるための願いがこもった魂の造形だからです。これは、精神的な創作の原点であり、20世紀の芸術家たちだけではなく、現代の私たちが観ても、きっと心打たれるのではないでしょうか。
また、西洋文明や日本文化とはまったく異なる文化の芸術に触れることによって、教育的にも多くの刺激があると考えられます。

展覧会の概要

西アフリカから中央アフリカのマスクや立像アクセサリーなど116点とテキスタイル6点の合計122点からなる展覧会。ナイジェリアのBC500のノック文化のテラコッタ半身像、AD1200頃のイフェ文化のブロンズ頭像、AD1600頃のベニン王国のブロンズ作品やコンゴの立像など世界的にも評価の高い作品をそろえています。

展覧会の実績

下関市立美術館
「アフリカの仮面と美術:生命と創造の大地」展
2009年5月22日(金)~7月5日(日)
入館者数 6500名
展示スペース 3部屋641.41㎡
西宮市立大谷記念美術館
「アフリカの仮面と美術:生命と創造の大地」展 
2010年10月9日(土)~11月28日(日)
入館者数 7000名
展示スペース 3部屋694㎡
NHK/日曜美術館にて放映

崇高なる造形:スピリチュアル・アート展

くわしくはこちら

企画意図

543年にポルトガル人が種子島を訪れてから、日本はヨーロッパ人からさまざまなことを学びました。鉄砲、地球儀、メガネ、カボチャ、スイカ、トウモロコシやタバコなどの伝来です。しかし日本人はヨーロッパ人のことを「南蛮人」と呼んでいました。「南蛮人」とは南から来た野蛮人という意味です。
ヨーロッパも同様で、古代ギリシャではギリシャ語を話さない民族を「barbar」と呼んでいました。これも野蛮人という意味です。ローマ時代にはローマ人以外の民族はもとよりキリスト教徒ではない民族も「barbar」と呼んでいました。 これは、どこでも同じで、自分の属する民族の考え方や文化が正当で優秀であり、他民族は野蛮で劣等であるという偏見を持った考え方です。植民地時代に起きた、先住民族への殺戮、虐待や搾取といった、人間性を無視した蛮行はこの考え方によるものです。 1904年にパリのトロカデロ民族誌博物館を訪れたピカソは、そこに陳列してあった、アフリカやオセアニアの美術を見て愕然としました。そこには、疑いもしなかったヨーロッパ的な美意識とはまったく異なった考え方の美術が存在していたからです。これをきっかけにピカソが新しい美術運動であるキュビズムを始めたことはよく知られています。
日本では、ヨーロッパや中国以外の歴史や文化を学ぶ機会がほとんどありません。しかし、実際には、民族の数と同じだけ異なった考え方や文化が存在しています。また、必ずしも、科学先進国や文明国の美術の方が勝っているという確証はありません。 アフリカはもとより、アジア、オセアニア、インドネシア、フィリピン、ヒマラヤ、そして日本にも先住民族が住んでいて独特の考え方と文化を持っています。それらの美術は、ときには強く、恐ろしく、そして美しく私たちに語りかけてきます。
「グローバル化」という言葉が叫ばれて久しいのですが、本当のグローバル化とは、さまざまな民族の文化や美術を知ることから始まるのではないでしょうか。

展覧会の概要

アフリカをはじめ、オセアニア、インドネシア、ヒマラヤ、フィリピンやアジアなどの先住民族の美術と世界観を紹介します。マスク、立像、テキスタイル、アクセサリーや道具など総数120点の展覧会です。ナイジェリアのBC500のノック文化のテラコッタ半身像、AD1200頃のイフェ文化のブロンズ頭像、AD1600頃のベニン王国のブロンズ作品やパプアニューギニアの立像など世界的にも評価の高い作品をそろえています。

アフリカンアートの動物たち・展

くわしくはこちら

企画意図

アフリカンアートの起源は謎です。しかしサハラ砂漠の南にある、6000年前に描かれたタッシリナジェールの壁画には、現在のコートジボワールの民族、ゲレかウオベが儀礼で用いているものと同じようなマスクが登場しています。高温多湿のアフリカの環境では、屋外に置かれた木製のものは、数年で朽ちてしまうので、6000年前の実物を発見する術はありません。19世紀の終わりにヨーロッパで博物学が流行し、多くの彫刻やマスクがもたらされました。これらが現在我々が見ることのできる、最も古い木製のアフリカンアートです。腐ってなくなることのない、テラコッタのものやブロンズ製のものは、発掘によって発見されます。紀元前500年前のナイジェリアの、ノック文化のテラコッタの人物像は、すでに頭を大きく誇張し、眼はアーモンド形で表現され、様式化されています。12世紀のイフェ文化や、15世紀からのベニン文化のブロンズも、一定の様式が見られることから、少なくとも2500年前には、アフリカ的な美意識で彫刻が作られていたことがわかります。
アフリカンアートにはざまざまな動物が登場します。そしてそれらは大きくニつに分けられます。一つは動物そのもので、もう一つは、いろいろな動物の部位を組み合わせて想像上の精霊のイメージにしたものです。 動物は精霊そのもであったり、またその使者であったり、王家を象徴するシンボルでもありました。西アフリカ、ギニアの民族であるバガの守護神である精霊は蛇であり、ガーナの民族フォンも蛇を精霊としています。ブルキナファソの民族ロビは、我が子が長生きするようにと、カメレオンのペンダントを小さいうちから身に付けさせます。レオパードや象はガーナの民族アシャンティ、ナイジェリアのベニンや、カメルーンのバミレケでは、王家のシンボルです。ブルキナファソの民族ボボの神話では、サイチョウが人間よりも早く神から生み出されたといわれています。コートジボワールの民族セヌフォも、サイチョウを神の使いとしています。もちろんヨーロッパ的なリアリズムの動物彫刻は見当たりませんが、それぞれの動物の特徴を誇張して、よりそれらしく見せています。 動物の部位を組み合わせたものも、民族によってさまざまな形で表現されていて、中にはどのような動物が起源かわからないものもあります。中国、日本やヨーロッパにも、いろいろな動物の部位を組み合わせた想像上の動物がいます。龍、麒麟や鳳凰などであり、それらは固定化した姿になっていて共通しています。しかし、アフリカのマスクに見られる精霊には、例えば、コートジボワールに住むセヌフォの「カナマト」マスクのように、カバの口、イノシシの牙、アンテロープの角と人の鼻で、頭には器を持ったカメレオンの付いたもがあります。そして、各民族特有の形と名前を持っています。このような奇想天外な形は、数千年の間に造形の天才が何人か現れ、その都度、修正してたどり着いたものであるとも思われます。アフリカの、動物をテーマにしたさまざまな美術を紹介します。

展覧会の概要

アフリカンアートの動物をテーマにした作品の展覧会です。子どもから大人まで幅広い層に観ていただける展覧会です。また、動物をテーマにしたワークショップなどの企画も立てやすい展覧会です。

以上、3つの展覧会につきましては、図録やポストカードも用意しています。
その他、アーカイブにあります展覧会やご要望のオリジナルの展覧会の企画も提案します。
ご要望があれば、当館館長によるパワーポイントを使った講演を1時間程度で行います。
また、アフリカ諸国の大使館への後援依頼につきましては、ご要望がありましたら、当館が代わって英文書類を作成し依頼させていただきます。
開催期間中のミュージアムグッズにつきましては、アフリカの工芸品、小物や古美術品などを当館で手配も可能です。

準備期間

打ち合わせをさせていただき決済がされた後、3ヶ月で開催することが可能です。
料金などにつきましては、お問い合わせください。

作品貸出

当館の所蔵作品

  • アフリカのマスク、立像、楽器、装身具、テキスタイル、椅子、道具、武具など約1400点。
  • オセアニア地域(オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、ソロモンなど)の立像、楽器 、アクセサリー、テキスタイル、椅子、道具、武具など約600点
  • インドネシア、フィリピンの立像、楽器、アクセサリー、テキスタイル、椅子、道具、武具など約300点。
  • アジア・ヒマラヤ地域(ネパール、チベット、インド北部、タイ、ラオス、中国、台湾、日本など)の 立像、楽器、アクセサリー、テキスタイル、椅子、道具、武具など約300点。

以上の中から企画によって、単品または複数の貸出をします。
また、商業施設などのディスプレーとしての活用もご相談に応じます。
料金などにつきましてはお問い合わせください。

講演

当館館長による講演を行います。
演題は、アフリカンアートに関するもの、オセアニアなどの先住民の美術に関するものと日本美術や西洋美術との比較などです。料金などにつきましてはお問い合わせください。

撮影

CM、広告、TV番組、グラフィックなどの撮影も対応します。
美術館内外、ロビー、ベランダなどが使えます。当館からは甲斐駒ヶ岳や南アルプスの眺望が抜群です。
また、所蔵品の著作権も当館所有ですのでご自由に撮影できます。
料金などにつきましてはお問い合わせください。

グッズ制作

カレンダー、Tシャツ、マグカップなどに所蔵品の写真をお使いいただけます。
料金などにつきましてはお問い合わせください。

PAGE TOP